尿路結石のお話 その1
明けましておめでとうございます。
まだまだお年玉が欲しい獣医師の大野です。
さて、今日は尿路結石についてお話したいと思います。
「尿路結石とかもう十分知ってるよ〜」とか思ってるそこのあなた!!
残念ながら今回は犬や猫のお話ではありません。
今回はウサギの尿路結石です!!

実はウサギは尿路結石が発生しやすい動物なんです。
ウサギの尿路結石の多くはカルシウムを主成分としています。
では、なぜウサギで尿路結石が多いのでしょうか?
それはウサギの血中カルシウムの調節機構、特に余分なカルシウムの排泄機構が特殊なことに関係しているんです。
多くの哺乳類は余分なカルシウムをあまり尿中には排出しません(多くても2%くらい)
ところが、ウサギは余分なカルシウムの多く(45~60%)を尿中に排泄します
尿中に排泄されるカルシウムの量が多いため、それを主成分とする結石ができやすいということなんですね。
同じようなカルシウムの排泄機構を持つ動物として馬が知られています。

あと、他の齧歯類やサイ、コアラなんかも同じような機構を持っているんじゃないかと考えられています。


これらの動物の共通点としては胃が1つしかなくて腸が超長いというところでしょうか(ダジャレじゃないですよ笑)。
ウサギと馬のように体のサイズが大きく違っていても、生理学的な側面から見ると似たような体の仕組みを持っているってなんだか不思議ですね。
さて、話がウサギからかなり脱線してしまいました。すいませんm(_ _)m
次回はウサギの尿路結石の診断・治療についてお話しようと思います。
来週中にはお話できればと思います(といって自分を追い込む)。
一応参考文献を簡単にですが載せておきます。
興味の出てきた方は是非ご一読を。
英語の本もありますが、Google先生に訳してもらうか気合で読みましょう。
「ウサギの医学」霍野晋吉 著 (2018) 緑書房
「FERRETS,RABBITS,AND RODENTS:CLINICAL MEDICINE AND SURGERY 3rd ed.」
Katharine E.Quesenberry, James W.Carpenter (2012) SAUNDERS
「Duke’s Physiology of Domestic Animals 13th ed.」
William O.Reece,Howard H.Erickson,Jesse P. Goff,Etsuro E.Uemura
(2015) WILEY Blackwell